WE MUST TELL THE EMPEROR

海底2万マイルやヒマラヤ登山といった独特のテーマでソリティアゲームを多数輩出しているVICTORY POINT GAMESの太平洋戦争をテーマにしたソリティアゲームです。
タイトルを直訳すれば「我々は天皇陛下に申し上げなければならない」となりますが、何か出典があるのかは不明。

ウォーゲームではなくかなり抽象化されたシステムで、日本軍は、マッカーサーニミッツ、イギリス軍、中国軍、ABDAの各連合軍ユニットがトラック上を日本本土に向けて前進してくるのを阻止し、あわよくばマップ外に撤退させる事を目的とします。
同時に3つの連合軍ユニットをマップ外に撤退させれば軍事的勝利、ゲーム終了時まで連合軍ユニットが日本本土に侵攻していなければ生存的勝利となります。
日本軍には陸海軍、威信、石油の3つの資源レベルがあり、管理フェイズにそのうち2つが0になっているとその時点で日本の敗北となります。


各ターンでは前期、中期、後期の順番にランダムにセットされたイベントカードを1枚オープン。
そこで指定された連合軍ユニットがトラックを前進し、日本軍は各資源レベルを増減させます。
カードごとにそのターンに行えるアクション数が決められており、連合軍ユニット対する攻撃や、資源レベルの上昇のほか、珊瑚礁海戦やミッドウェイ海戦などの戦闘イベントがあれば戦闘テーブルでダイスを振ることができます。
攻撃や資源レベルの上昇はユニットの数値より大きいダイス目が出れば成功。
カードによってはダイス目に修正が加えられることもあります。

まずは石油資源レベルの上昇を可能にするために、ABDAユニットをジャワまで後退させることが初期の目標となります。
陸海軍レベルが最大値になるとすべてのダイスが+1される精鋭ボーナスもあり、戦争初期では連合軍ユニットを退却させることは容易なのですが、中期以降は資源がマイナスされるカードばかりとなり、史実同様に日本軍は逼迫していきます。
とりあえず1回プレイしてみましたが、ミッドウェイ会戦以降は戦線を推し戻すことも困難になり、戦争後期の途中でニミッツと中国に本土侵攻されて敗戦となってしまいました。
連合軍が本土に接近すると使用可能になるカミカゼマーカーの存在を忘れていましたが、その能力を使用していたとしても持ちこたえることは無理でした。


アクションの選択はありますが、基本的にはダイス運ですべてが決まります。
先にダイスを振ってからアクションに割り当てるシステムであれば、多少は戦略性も出てくると思いますが、運まかせの方が日本軍らしいといえばらしいですね。
1時間もかからずプレイできるので、暇つぶしにはちょうどよいかと。
ロシア軍やイベントカードが追加される拡張も出ています。