越前市ボードゲームの会 6/19

高速千円の最終日ということで、越前市まで足を伸ばしてきました。


「四匹いるよ」

3人プレイ。
木製タイルの両面に動物がそれぞれ4匹ずつ描かれており、カードで指定された動物を表にするごとに得点します。
変則的な神経衰弱といったらよいのでしょうか。
裏表の動物の組み合わせはすべて異なるので、覚えやすい配置だったウサギとイノシシを記憶するだけでも、そこからの推測でけっこう当てられました。
本物の木の枝を輪切りにした得点コマなど、コンポーネントにも雰囲気があります。


「ヴォーパルス」

3人プレイ。
今年のゲームマーケットでの話題作。
カードをドラフトして自分の手札を選んでいくということで、いかにも「世界の七不思議」クローンなゲームかと思っていましたが、実際プレイしてみると「テラフォーマー」の方がプレイ感が近い印象。
聞いた話だと、デザインのきっかけが「テラフォーマー」だったそうです。
選んだ手札から前衛に2枚、後衛に2枚のカードを出して軍団を編成しますが、カードを出すにはコストが必要なため、強いカードが引ければいいというわけでもありません。
ゲームを通して資金のマネージメントはかなりシビアです。
戦争フェイズでは、基本的には前衛の軍事力が高いプレイヤーが得点します。
生産フェイズでは、収入を得て建物の建設を行います。
経年フェイズでは、すべてのカードに経年カウンターが置かれ、すでに経年カウンターが置かれているカードは除去されてしまいます。
これを4ラウンド行い、得点のもっとも多いプレイヤーが勝利します。
今回は序盤で高コストのカードを出してしまったため、軍事力を増強できる効果のカードが出せなくなり、第2ラウンド以降は戦争による得点をまったく獲得することができませんでした。
これは勝負にならないかと思いましたが、カードに経年カウンターを置ける時計職人と、除去したカードの経年カウンターを得点にする夢読みの効果によって一気に得点を獲得でき、他の2人と同点にまで追いつくことができました。
タイブレークでは資金がゼロだったため3位となり、勝者ははとさんに。
1回のプレイでは戦略のバランスについては言及できませんが、オリジナル要素も機能しており独自の面白さを十分に感じられました。
アートワークも好みなので、もし再販されるなら購入したいですね。


「怪盗ジュエル」

4人プレイ。
「行商と信頼」に続く、染井吉野ゲームズの新作。
A〜Eのどの宝石を盗み出すのかを予告状でプロットするバッティングゲーム。
複数のプレイヤーがバッティングしてしまった場合には宝石を獲得できません。
同じ数字の宝石カードを3枚揃えることで、それが得点となります。
こういったゲームは考えすぎると逆にバッティングしてしまうことが多いので、あえて素直に欲しい宝石を狙ってみたところ、それが功を奏したのか2連勝。
同じテーマの「鼠と密告者」と似たところもありますが、こちらの方がシンプルにバッティングを楽しめましたし、展開がスピーディで面白かったです。
直前にプレイした予告状を続けて使用できないルールも効いていますね。
タイトルやアートワークがあまりに平凡過ぎて、見た目で損しているような気がします。


「擬人化総選挙」

5人プレイ。
人ではない様々な物を擬人化した場合に、「一番寡黙なのは?」とか「一番小説家に向いているのは?」といったお題にどれがもっとも適しているかを選ぶコミュニケーションゲーム。
一番多くのプレイヤーに選ばれた物が正解となり、正解者に得点が入ります。
それなりに遊べるとは思いますが、擬人化自体を楽しめるかどうかで意外と間口が狭いような気がしました。
名前の後ろにすべて「〜たん」をつけるとイメージが膨らませやすいかと思いましたが、捻ったキャラ付けばかりしてしまい、多数派にはなれませんでした。


ビザンツ

5人プレイ。
シンプルな競りゲーですが、支払いに使ったカードと競り落としたカードのうち1枚が市場にストックされていき、競りとは逆の順番でそれを市場から獲得していくというシステムが秀逸で、プレイするたびに良くできているなあと感心します。
5点になる商人のセットをいくつか作った円蔵さんの勝利。


「ゾンビステート」

3人プレイ。
自分がヨーロッパ、snowjamさんがアフリカ、円蔵さんがアジアを担当。
今回は軍隊を整備してゾンビを駆逐する戦略ということで、損害を1減らすフェロモン、移動コストを無料にする機動化、攻撃力が1から3に増加する対ゾンビ特殊部隊と、軍事技術を集中的に開発。
確かにこの組み合わせは強力で、東欧から中東のゾンビをあらかた駆逐できましたが、発動するたびにFP(アクションポイント)を消費しなくてはならず、おかげで他の技術の開発にFPを割り振る余裕がありませんでした。
本来ならば防壁か隔離で地中海沿岸を防備する計画でしたが技術開発が間に合わず、アフリカを食い尽くしたゾンビの大群に西ヨーロッパへの侵入を許してしまうことに。
しかたがなくイギリスと西ヨーロッパの死守はあきらめ、東欧の2エリアに引きこもりましたが、資源もFPもほとんど無い状態では何もできず、15ターン終了時での人口は4しかありませんでした。
ゲーム終了時の技術シートにリサーチカウンターが5個も残っているとか、技術開発があまりに行き当たりばったりすぎます。
アジアはヨーロッパとの境界線に現代の万里の長城をを築いてヨーロッパからのゾンビの流入を防いだ後、人口の多い日本/韓国とインドを防壁で完全に囲い込こんで最終的な人口は11。
後から知ったのですが、アークライトの日本語シールだと防壁のコストが間違っており、1FPに1資源ではなく1FPに3資源ということで、本来は防壁で国境線を完全封鎖するのはかなり困難なようです。
アフリカは南アフリカ以外を完全に放棄。
おかげでヨーロッパはえらい迷惑を被ったわけですが。
ゾンビが人口を食い尽くして増殖が止まったところで反撃を開始し、奪回したエリアに赤十字の能力で人口ダイスを復活させ、基盤債権で人口を14まで増加させて勝利しました。
アフリカは序盤から資源の精製を開発していたため、ほとんどのエリアを失っても最低限の資源が確保できていたのが大きかったかと。
相変わらずシビアな展開で自分的にもひどい結果でしたが、ゲームは非常に面白かったです。


「サーカストレイン

3人プレイ。
アメリカにおけるサーカスの巡業がテーマ。
基本セットは1〜2人用ですが、拡張を入れると5人までプレイ可能になります。
各地で廃業したサーカスのタレントを雇用しながら、需要のある都市で公演を行うピック&デリバリー系のゲーム。
移動や公演を行うための行動カードは使い切らないと回収できないため、効率のよいカードマネージメントも重要です。
各都市ごとに要望されているタレントとポイントが異なっており、それまでのベストパフォーマンスを更新するごとに公演料が増額されます。
自分はここぞで必要な行動カードが手札に無く、評判の低下と引き替えに捨て札からの再使用を行ってしまったため、像やライオンといった人気の高いタレントを引き抜かれてしまうことに。
しかたなく得点を獲得できる都市を回ることで、なんとか最後まで接戦に持ち込めましたが、ゲーム終了時の最多資金と最高の評判でのボーナスを獲得した岩猿さんが他の2人を一気に突き放して勝利。
他にあまりないテーマでガジェットも多彩ですし、ゲームとしてもそれなりに楽しめましたが、コンポーネントが安っぽいというか使いづらいのがマイナス評価ですね。
タレントはカウンターにイラストで描かれていますが、さすがにフリークショーだけはイラストにできなかったようで。
かといって当時のサーカスからはずすわけにいきませんし。


「オリンポス」

5人プレイ。
今回もアレスの神殿を建設しての軍事プレイ。
戦争で軍事力の差の分だけ資源を奪われたり、疫病で人口を減らされるといったインタラクティブな部分が人によっては強すぎると感じられたようです。
岩猿さんとのトップ争いを制して自分の勝利、のはずだったのですが、この後でルールを確認したところ、各レベルの半分が得点となることを見落としていたことが判明。
自分は部分的にしかレベルを上げていなかったので、おそらく実際は岩猿さんの勝利だったと思います。
今までレベルアップ系の建物の存在意義が薄いような気がしていましたが、そんなことはなかったわけですね。
疑問に思っていたことが解消されるわけなので、このゲームに対する評価が下がることはないでしょうが、とりあえず正式なルールでプレイして再評価したいかと。
今までのプレイにおつき合いいただいたみなさんには申し訳なかったです。